前回に引き続き、「匠の技術 継承支援事業」の鉄瓶制作についてです。
今回は鉄瓶の仕上げと着色です。
今回で鉄瓶が完成となります。
前回鋳造した鉄瓶のバリを取ったり細かい部分を仕上げていきます。
たがねややすりを使って作業します。
仕上げた鉄瓶に着色していきます。
内側には黒い漆を塗ります。
漆を塗ったら、ムラにならないよう水を付けた稈心箒(みごほうき、藁を束ねた箒)でのばします。
しばらく乾燥させたら、外側を着色します。
外側は、弁柄(べんがら)という赤い顔料を加えた漆を塗ります。
こちらもムラにならないよう、稈心箒を使ってのばします。
再度乾燥させたら、火であぶりながら鉄漿(おはぐろ)とお茶を刷きつけ、色味を調整していきます。
今回の匠の技術継承支援事業は鉄瓶本体を作るところまでで完了となりました。
使える状態の鉄瓶として完成させるには、あとは弦と蓋が必要です。
弦は、技術継承者である中山さんが鍛金ができるため、ご自身で弦を製作されるとのことでした。
蓋については、当工房で鋳造したものを今回制作した鉄瓶に合うように仕上げてお渡ししました。