前回に引き続き、「匠の技術 継承支援事業」の鉄瓶制作についてです。
今回は、注ぎ口と鐶付の型を作ります。
鉄瓶の緑丸の部分が注ぎ口、赤丸の2か所が鐶付です。
前回までのように、木型を回転させて挽ける型は鉄瓶本体の部分のみになるので、注ぎ口・鐶付の型は別途作る必要があります。
注ぎ口、鐶付の石膏原型を使って紙土(和紙を混ぜた土)で型を取ります。
注ぎ口・鐶付どちらも上下半分ずつ型を取ります。
型を取ったら、鐶付の型はハジロ(粘土を水で溶いたもの)で上下の型を接着させます。
空洞になっている部分が写っていないのでわかりづらいですが、上の写真の奥にあるのが鐶付の型です。(既に上下の型を合わせた状態。)
鐶付の型はこれで仕上がりですが、注ぎ口は中子も作る必要があります。
注ぎ口の型に、一定の厚さに延ばした粘土を貼ります。
粘土を貼った型に、真土を詰めていきます。
真土を詰めた上下の型を、ハジロを使って接着させます。
合わせた中子の隙間に真土を詰めます。
中子が乾いて固まったら、型から取り出します。
取り出した中子。
型の粘土をはずし、中子をおさめます。
中子をおさめたら上下の型を合わせ、ハジロと紙土で接着します。
乾燥させて、注ぎ口の型が仕上がりとなります。
上の写真の、型と中子の隙間に金属が流れて鉄瓶の注ぎ口部分ができます。
この後、乾燥した注ぎ口・鐶付の型を焼成しました。
次回は、完成した注ぎ口・鐶付の型を、前回までに作成した鋳型に埋め込みます。