まただいぶ間が空いてしまいましたが、久しぶりの更新は修理事例の紹介です。
ホームページ経由でいただいた修理依頼のうち、お客様から掲載の許可をいただいた修理事例をご紹介していきたいと思います。
釜・鉄瓶の修理についてはこちらの記事をご覧ください。
⇒ 茶の湯釜・鉄瓶の修理に関する記事
今回ご紹介する事例は、鉄瓶の水漏れ修理と蓋制作のご依頼です。
注ぎ口の下のところの水漏れ修理と、それに合わせて鉄瓶の蓋も制作したいとのことでした。
鉄瓶の蓋はいろいろな形のものがあるため、いくつか参考写真をご確認いただき、相談しながらどのような形の蓋にするか決めました。
修理前
割れなどの傷みはなかったので、鉄瓶の内側・外側とも錆を落として焼抜き(錆止め処理)をし、注ぎ口部分の水漏れは鉄漆で修理することにしました。
蓋制作
手元にあった銅蓋をいくつか修理前の鉄瓶に乗せ、どの蓋がよいか検討しました。
(ほかの鉄瓶の蓋を乗せているため、大きさが若干合っていません。)
今回のような肩が張ったような形の鉄瓶には掛子蓋が合うため、掛子蓋を制作することにしました。
修理後
鉄瓶本体は、錆を落とした後焼抜きをし、漆で着色しなおしました。
注ぎ口の下の水漏れは、鉄漆で問題なく止まりました。
蓋は鉄瓶本体の口に合わせて削り、摘みと座金を取り付けて着色して仕上げました。
着色は、炭で高温で焼いてから煮色着色する「斑紫銅(むらしどう、はんしどう)」で着色してあります。
炭が当たって特に温度が高くなったところに模様が出ています。
釜や鉄瓶などの鉄器、風炉などの銅器の修理でお困りの際はぜひご相談ください!
御見積りは無料です。