焼抜き-修理前後比較

茶の湯釜・鉄瓶の修理【焼抜き】詳細②|錆びた鉄製品の修理

今回は前回に引き続き、焼抜きについてです。

前回の記事

前回は釜の錆や漆を落として、焼く準備が整ったところまででした。
今回はその続き、実際に焼く作業です。
錆(赤錆び)を落とした釜を800℃程度で焼くことで、表面に強固な酸化被膜(黒錆び)ができ錆びにくくなります。

前回の続きなので、錆を落とした田口釜を焼くところをご紹介・・・
したかったんですが、この釜を焼いている写真を撮り損ねました・・・

代わりに、別の修理依頼品である五徳を例に焼くところをご紹介します。
作業内容は釜も鉄瓶も五徳も同じです。

工程2 焼抜き

焼抜き_五徳_修理前

修理依頼品の風炉用五徳。

風炉の中に入れて使うため灰に覆われた環境で使用されますが、灰は錆びの原因です。
使用後は灰に入れっ放しにしないようにし、錆びを防ぎましょう。

 

焼抜き_五徳_ホーニング後

錆を落としたところ。

焼抜き_五徳_焼抜き01

錆を落とした五徳を、断熱材の上に並べる。

焼抜き_五徳_焼抜き02

断熱材で蓋をして・・・

焼抜き_五徳_焼抜き03

熱が漏れないように横もふさぎます。

焼抜き_五徳_焼抜き04

五徳が真っ赤になるまでガスバーナーで焼きます。
今回は15~20分程度かかりました。
釜の場合はもう少し短い時間で焼けます。

焼抜き_五徳_焼抜き05

焼けたところ。
冷めるまでしばらくこのまま置いておきます。

焼抜き_五徳_焼抜き06

触れるくらいまで冷めました。

焼抜き_五徳_焼抜き07

五徳の焼抜きによる変化をまとめました。
左から、修理前、錆び落とし後、焼抜き後です。

焼抜き-修理中04

五徳と同じように焼いた田口釜。

釜の外側が着色された状態のまま焼いたため、顔料で表面が赤っぽくなっています。

次回はこの続き、水漏れ箇所への鉄漆の処理についてです。

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