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今回は前回に引き続き、焼抜きについてです。
前回の記事
前回は釜の錆や漆を落として、焼く準備が整ったところまででした。 今回はその続き、実際に焼く作業です。 錆(赤錆び)を落とした釜を800℃程度で焼くことで、表面に強固な酸化被膜(黒錆び)ができ錆びにくくなります。
前回の続きなので、錆を落とした田口釜を焼くところをご紹介・・・ したかったんですが、この釜を焼いている写真を撮り損ねました・・・
代わりに、別の修理依頼品である五徳を例に焼くところをご紹介します。 作業内容は釜も鉄瓶も五徳も同じです。
修理依頼品の風炉用五徳。
風炉の中に入れて使うため灰に覆われた環境で使用されますが、灰は錆びの原因です。 使用後は灰に入れっ放しにしないようにし、錆びを防ぎましょう。
錆を落としたところ。
錆を落とした五徳を、断熱材の上に並べる。
断熱材で蓋をして・・・
熱が漏れないように横もふさぎます。
五徳が真っ赤になるまでガスバーナーで焼きます。 今回は15~20分程度かかりました。 釜の場合はもう少し短い時間で焼けます。
焼けたところ。 冷めるまでしばらくこのまま置いておきます。
触れるくらいまで冷めました。
五徳の焼抜きによる変化をまとめました。 左から、修理前、錆び落とし後、焼抜き後です。
五徳と同じように焼いた田口釜。
釜の外側が着色された状態のまま焼いたため、顔料で表面が赤っぽくなっています。
次回はこの続き、水漏れ箇所への鉄漆の処理についてです。